子供を保育園に入れて、奥さんが仕事に復帰する際に、
僕に「掃除」、「洗濯」、「風呂掃除」、「保育園の送り迎え」「食器洗い」
をやって欲しいと言って来た。
つまり、料理以外の家事全般だ。
(奥さんは美容師で労働時間が長い)
奥さん
「料理は私がやるから、それ以外全部やってよ」
僕
「え?マジか?オレも仕事あるから、無理だよ。」
奥さん
「私だって仕事だもん。じゃあ、洗濯は私がやるから
掃除、風呂掃除、保育園の送り迎え、食器洗いやって」
僕
「それやったら1時間ぐらいかかるから、朝は無理だって」
奥さん
「頼む!風呂掃除と保育園の送り迎えだけで良いから!」
僕
「わかったよ。じゃあ、オレが風呂掃除と保育園の送り迎えやるよ」
こんなやりとりがあって、僕は毎日、
風呂掃除と保育園の送り迎えを担当する事になった。
後で聞いたところによると、奥さん的には、
子供の送り迎えさえやってくれればOKと考えていたのだ。
(本人談)
それが、意図的な交渉で、子供の送り迎えどころか、
風呂掃除まで、僕の担当にしたのだから、かなり交渉上手だ。
つまり、最初っから僕に「子供送り迎え」だけで交渉しないで、
断られる事前提で、最初は、無理難題を押しつけてきたのだ。
そして僕はすっかり、そのテクニックにはまり、
「子供送り迎え」だけでなく、「風呂掃除」まで
担当する事になる。
なぜ、奥さんが使った交渉テクニックが成功したのか?
営業の目線から、解析して見たいと思う。
これは、人間の行動心理が大いに関係している。
以前のメルマガでも書いたが、
「返報性の法則」という人間心理がある。
これは、スーパーのおばちゃんが無料で
試食を配っているのを食べると
「なんか買わないと悪いなぁ~」と思う人間心理である。
FBでいっつも「いいね」してくれる人には、「いいね」を仕返すし、
プレゼントとかもらっちゃうと、「返さないと悪いな」
と思う、誰しもが持っている気持ちを、「返報性の法則」と言う。
この「返報性の法則」が、
今回の奥さんとのやりとりでも働いているので
見てみよう。
1.奥さんは最初にまず、断られる事前提で、
無理難題を押し付けて来た。
2.僕、当然断る
3.奥さん、ちょっと譲歩した要求を押しつけて来る
4.僕、断るが、ちょっと悪い気がしてきた。
5.奥さん、さらに譲歩して、要求
6.譲歩してくれた事に対して「悪いな」という気持から
要求を受け入れてしまう。(ここで返報性の法則が働く)
こんな流れだ。
つまり、奥さんは最初から「5」を落としどころで考えていたのに
最初から「5」をすると、返報性の法則が働かないから
「1」でわざわざ、断られる前提で、要求してきたのだ。
これは、営業でも使えるテクニックだと思わないか?
恋愛でも使える。(営業=恋愛だと僕は思う)
1.(断られる前提でいきなり)「ねぇ、キスしようよ」
→当然断られる
2.じゃあ、デートしよう。
→断られる
3.せめてお友達になって下さい。
→連絡先GET (全部断るのも悪いなーという「返報性の法則」が働く)
と、まあこんな感じだ。
このテクニックは「ドア・イン・ザ・フェイス」と呼ばれている
由緒正しき営業テクの1つだ。
飛び込み営業マンが、まずは自分の話を聞いてもらうために、
1.イキナリ、ドアに顔を入れて、まずは相手からわざと断られる
2.その後ドア越しに、せめて話だけでも聞いてもらう
という行為から、名前の由来が来ている。
重たい数字を持っている営業マン、
旦那さんに何か手伝って欲しいと思っている、奥さん。
まずは、断られる前提で、無理なお願いをしてみよう。
上手くやれば、きっとあなたの思い通りになるハズだ。
P.S ウチの場合は、交渉では無くて、最初から、ヘビーなお願いをされる事がある。
内心「出た!ドア・イン・ザ・フェイス。その手には乗らないぞ。」と思うが、
全く譲歩をしてこないので、ただのヘビーなムチャブリと言う事がある。
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